極真関連商標の使用について
大石氏の自分本位、独善的主張
一般社団法人国際空手道連盟極真会館総本部
顧問弁護士 田中 清和
最近、大石代悟氏の総極真ホームページに「極真関連商標について」と題する主張が掲載されている。しかし、これは自分本位かつ独善的主張であり、一般社団法人国際空手道連盟極真会館総本部(以下、極真会館総本部という)は、これに反論せざるをえない。
1 極真会館総本部加盟道場は全て極真商標を使用できる
大石氏は「要するに、極真会館総本部に加盟しても極真の商標を有効に使用できることにはならない」と言っているが、とんでもない間違った主張である。
周知のとおり、特許庁の審決及び裁判所の判決は「極真商標の使用権原は、大山倍達存命中の支部長や分支部長ら極真会館の構成員に共有的または総有的に帰属する」との判断を繰り返し明言している。
極真会館総本部は、まさに総裁存命中の支部長ら構成員の多数が参加する組織であるから、極真空手を行う加盟道場が極真商標を使用できるのは当然である。これは、商標権登録以前の問題である。
2 極真会館総本部加盟道場の商標使用に大石氏の許諾など不要
大石氏はまた「極真会館総本部に加盟する道場や理事個人についても商標使用について法律上有効な許諾は得ておらず、形式的には商標権侵害状態にあります」などと主張しているが、これまた開いた口が塞がらない主張である。
極真会館総本部と加盟道場が極真商標の使用ができるのは、前述のとおりである。ましてや、極真会館総本部自身が極真商標権を有しているのである。大石氏という1人の個人が極真会館総本部という多数の支部長らで構成する組織に対し、法律上有効な商標使用許諾権を持つなどとは、独善的な妄想の類いである。
そもそも、極真商標権は個人で持つことが許されないことは、松井章圭氏や大山喜久子氏の商標登録を無効とした裁判所の判決から明らかであり、大石氏もかつてはその認識であった筈である。大石氏が、もし不当に商標権を行使することがあれば、1個人による商標登録の無効を主張されることにもなりかねないのである。
3 大石氏は単独では商標権の行使ができない
大石氏はさらに「大石の了承を得ずに極真会館総本部が単独で極真関連商標の使用許諾を行った道場に対し商標使用の差し止め請求や商標権侵害による損害賠償請求も検討せざるを得ないと考えています」という。
これは、何を言っているのだろうか。それは、商標使用の許諾権限はすべて大石1人にあり、総裁存命中からの支部長ら多数が参加する極真会館総本部という商標権者には何の権利もない、と言っているのである。
何故、こんな一方的で馬鹿げた主張ができるのか。それは、商標権が共有状態にある以上、共有者の極真会館総本部が了承しなければ、大石氏単独では商標権の行使が出来ない、という法律を無視しているか、あるいは忘れたふりをしているからである。