中国Gong道場 昇段審査&セミナー(新津師範レポート)
2019年4月19日~4月22日 中国上海遠征
長谷川総師からのご指示で今回、米山師範と私が中国へ渡航させて頂きました。
今回の遠征の主な目的は中国全体で行なわれる審査会と空手の指導です。4月19日、米山師範は兵庫県から、私は東京から上海へ赴きました。
1.4月19日初日 (夜にゴン師範と合流)
夕食は上海風しゃぶしゃぶでした。
2.ゴン道場 ビルの3階、広大なフロアに3つの稽古スペースがありました。
3.4月20日土曜日 審査会 道場下の階にある体育館で行ないました
受審者:緑帯25名、茶帯18名(2級のみ)、黒帯20名(弐段4名、初段16名)合計63名
【基本稽古】カン師範の進行・号令のもとに行われ、日本と異なる点は、後方肘打ちやコンビネーションが途中で入り、移動稽古のようなステップを入れた突き、蹴りなどをやって、また基本稽古に戻るという独特な部分もありました。
【型】平安~安三、初段はそれに加えて十八まで、弐段は臥竜、征遠鎮まで指導者は日本で受審した方々が教えているので日本と顕色なく、違和感もありませんでした。力強さもあり、取り組む姿勢も熱心でした。立ち方については後屈立ちと猫足立ちの歩幅がややあいまいな部分と、猫足立ちで行なう部分を後屈立ちで行なうなど解釈に個人差があるように感じました。騎馬立ちを四股立ちとして教えているようです。ここで茶帯が2~3名ほど、審査員の指示で(できていないので)外されました。
【補強】日本同様、拳立て、スクワット、腹筋、背筋を行ない、更に2名が脱落して行きました。
【組手】
最初に緑、茶帯の小・中・高校生が3人と対戦を行ない、茶帯の一般道場生同士で同じく3人(3回)行ないました。少年部については体力、1つ1つの技のスピードやパワーに欠け、技の繋ぎもまだまだという感じでしたが、一般女子で強い茶帯が1人いました。
次のグループは一般男子・女子が30人、20人組手を行ないました。試合に出ている人が多く、昨年の大会で見た選手達も受審していました。
30人組手をやった。この刈上げ女子強いです。スタミナとメンタルが抜群で下段が強かったです
写真左の彼はコ・ハンという名前で29才、特殊部隊SWATにいたそうです。
パワーが桁違いで重量級の対戦者が前蹴りで吹っ飛ばされていました。スタミナ、メンタル、打ち合いも強いという印象のまま30人をやり切りました。敢えて言えば、技が大きいので、細かい技の繋ぎやまとめ方を覚えたら相当な脅威になると感じました。今回の組手を見て感じたことは、中国人のフィジカル(打たれ強さを含めて)の強さです。
一般の後に壮年部(初段9名受審)の組手を行ない、米山師範と私も対戦相手として加わりました。
【記念写真】
ゴン師範、ゴン道場の支部長達と
4.4月21日 空手技術セミナー AM9:30~4:30 参加者58名
午前中、始めに私が担当しました。昨日の昇段審査で感じたことの一つに皆あまり内股蹴りを使っていなかったので、前足を蹴るインローと奥足を蹴るインローの蹴りのフォーム、効かせる蹴りと崩す蹴り方を2人組になって行ないました。それから中段・上段への蹴りをフェイントを混ぜて蹴る、そこからの応用技を行ないました。
米山師範はパンチの打ち方、肩口へ効かせるパンチ、縦拳で打つ意味と使い方、ストレートから変化する応用技、数種類のパンチから蹴りまでの繋ぎなどを行ないました。
午後からは妖怪蹴り、ふくらはぎや腿を蹴るカカト蹴り、中足を使った内股蹴りなどを対人で稽古し、米山師範の進行で試合用のミットで追い込みスタミナ養成の稽古を行ないました。
軍隊にいる人のスタミナが尋常でないぐらい良く動いていて、選手達も苦しい場面でも気迫を全面に出して乗り切っていました。
昨日も感じましたが、中国人のフィジカル、精神力は素晴らしいもものがあります。大人の黒帯が多いので磨けば光る原石のような人がたくさんいました。戦い方を研究し、試合経験をたくさん積んだら日本、世界の脅威になると感じました。今回、セミナーを長時間に渡り、教える側として経験させて頂きましたが、7時間という時間配分と何をどこの場面で教え、どう説明するか、言葉が分からないのでどう表現し、伝えるかということを悩みました。改めてそれを3日間教える
長谷川総師は凄いと思いました。米山師範の関西系のノリは中国人にもしっかり伝わり、ウケていました。長谷川総師の域にはまだまだ及びませんが、教える立場としても勉強になった遠征でした。
日本から送り出して頂きました長谷川総師、纐纈代表、滞在中大変お世話になったゴン師範、ゴン道場の皆様には心より感謝致します。 押忍
日中友好の証、「手を携えて共に未来を創造する」このフレーズにとても感銘を受けました。長谷川総師とゴン師範が築いて来られた絆を若い世代、子供達が受け継いで行って欲しいと願います。 押忍
新津 茂男